褥瘡リスクの高い人の特徴
褥瘡になりやすい人の特徴を知り予防に活かす
自力で身体を動かせない人

褥瘡は、体重による持続的な圧迫や摩擦によって皮膚や皮下組織に損傷が生じることで発生します。特に、自力で体位変換ができない、もしくは困難な人は、同じ部位に圧力が集中しやすく褥瘡のリスクが高いです。寝返りを打つ、座る姿勢を変えるといった動作が自発的に行えない場合、血流が阻害され組織への酸素供給や栄養補給が滞ってしまうことも考えられます。場合によっては、皮膚の壊死につながることもあるでしょう。介護者による定期的な体位変換や圧力分散マットレスの使用など、適切なケアが褥瘡予防の鍵となります。
低栄養状態の人
低栄養状態も、褥瘡の発症リスクを高める要因の一つといえます。十分な栄養が摂取できていないと、皮膚の弾力性や抵抗力が落ち、損傷しやすくなるためです。また、クッションの役割を果たす皮下脂肪や血流を促進する役割を担う筋肉量の減少も、褥瘡の発生リスクを高める要因となり得ます。食が細い方に対しては、食べられない理由を把握したうえでできるだけバランスの良い食事を提供することが大切です。
皮膚が湿った状態になりやすい人
おむつを装着している、汗をかきやすいなど、皮膚が湿潤状態になりやすい方も要注意です。湿潤した皮膚は摩擦による損傷を受けやすく、バリア機能も低下するため、細菌感染のリスクが高まります。失禁や発汗などにより皮膚が湿った状態になりやすい場合は、こまめな皮膚の清拭と乾燥が大切です。おむつに関しては、こまめな交換はもちろんのこと、定期的にサイズの確認をする必要もあるでしょう。大きすぎると摩擦が生じやすく、小さすぎると圧迫感やかゆみを誘発してしまう可能性があるためです。そのほか、吸水性の良い素材の衣類や寝具を選ぶ、適切なスキンケア用品を使用するといった工夫も取り入れていくと良いでしょう。
疾患や免疫力の低下がある人
褥瘡のリスクを高める疾患がある方も注意が必要です。たとえば、末梢神経障害や血流障害を引き起こすこともある糖尿病をお持ちの方。症状が悪化すると皮膚の感覚が鈍くなり、傷が治りづらくなるケースもあります。結果として、褥瘡のリスクが高まりやすいです。また、動脈硬化や心不全も褥瘡の発症を促進する可能性があります。さらに、抗がん剤治療やステロイド剤といった薬剤を長期服用されている方も、褥瘡のリスクが高いといえるでしょう。これらの疾患や治療を受けている方の介護を行う際は、より注意深く観察する必要があります。
褥瘡への関わり方をもっと学びたい介護士におすすめ
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介護士ができるのは予防ケアのみ
褥瘡の処置は医療行為になるので、介護士ができるのは予防ケアのみです。自分の行為が医療行為に該当しないように注意してください。褥瘡の原因や症状についても確認しておきましょう。