具体的な予防方法
どうすれば予防できるのか
予防方法を知っておこう
褥瘡の予防において重要なのは、毎日皮膚の状態を観察することです。加えて、圧迫や摩擦を減らすためのケアを実施しなければなりません。マットレスや車椅子によって身体にかかる圧力を分散させる体圧分散ケアが求められます。
体位変換をする
褥瘡を予防するために、定期的に体位変換を行いましょう。同じ部位への圧迫を避けることが目的です。自力で寝返りができない利用者に対しては、約2時間に1回の頻度で体位変換を行います。具体的な方法に関しては、以下のサイトを参考にしてください。
- 体圧分散ケア-横になっているときのケア
- こちらのサイトに、体位変換の詳細なスケジュールや方法がまとめられています。
摩擦を防ぐ
摩擦はシーツのしわを伸ばそうとした時などに生じます。利用者が寝た状態の時は、上半身を支えるベッドの傾きを30度以下にして、足側を上げるか膝下に枕を入れましょう。完全な仰向けの体勢は避けてください。左右どちらかの臀部など、面積の広い部位で身体を支えると圧力が分散されます。また、パジャマやシーツの小さいしわが摩擦の原因になることもあるので、しわがないか注意深く観察してください。身体の下に手を入れてしわを伸ばす場合は、滑りやすい素材の手袋などを使うといいでしょう。
皮膚を健康な状態に保つ
皮膚を健康な状態に保つことも褥瘡の予防につながります。健康な皮膚は水分を多く含んでおり、外部からの刺激にも耐えやすいです。逆に、皮膚が乾燥していると外部からの刺激を受けやすく、損傷するリスクが高まります。常に皮膚を清潔に保ち、保湿を怠らないようにしましょう。乾燥を防ぐためには、清拭や入浴後の保湿剤の塗布などが必要になります。失禁などによって皮膚がふやけている場合は、軟膏や保湿クリームを塗布して炎症を防ぎましょう。おむつを着用している場合も褥瘡の発症リスクが高まります。通気性や吸収力が高いおむつを使用してください。
介護用品を活用する
介護用品の活用も褥瘡の予防においては必要不可欠です。体圧分散効果のあるマットレスは介護保険制度を利用してレンタルできます。座位をサポートする姿勢保持クッションなどもあるので、利用者がどういった姿勢でいる時間が多いのかを考慮した上で、状況に応じた介護用品を選んでください。
栄養管理も必要
身体にかかる負担を減らすだけでなく、栄養管理も必要です。健康な皮膚や筋肉を維持するために必要なたんぱく質やビタミン、ミネラルなどを豊富に含んだ食事が求められます。加えて、水分摂取量にも注意してください。水分が不足していると、皮膚が乾燥して褥瘡の発症リスクが高まります。身体の内側からも褥瘡を予防することが大切です。
褥瘡への関わり方をもっと学びたい介護士におすすめ
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介護士ができるのは予防ケアのみ
褥瘡の処置は医療行為になるので、介護士ができるのは予防ケアのみです。自分の行為が医療行為に該当しないように注意してください。褥瘡の原因や症状についても確認しておきましょう。